British Rock

『タルカス』エマーソン、レイク&パーマー

クロスレヴューvol.1



No.1
名前moonweed
電子メールtakaaki.watanabe@ma2.justnet.ne.jp
URLhttp://www2.justnet.ne.jp/~takaaki.watanabe/
いつ聴いたか
その時の境遇
今でも聞きますか
レヴュー本文

 タルカス・・・・・70'に名盤は、数多くあれど、Emerson,Lake&PalmerのこのAlbumは、その中でもBest20に必ずランクインするであろう・・・そのくらい70'プログレファン(便利なんでこの言葉を使います)には、有名なAlbumである。と書いた私は、このTarkusをちゃんと聴いた事が数える程しかないのを思い出す。多分Greg Lakeが考えたであろうベースラインADGDCGD#G#D#A、とても印象深いこのフレーズが、全編に流れるA面は、なんとなく覚えているのだが、残念ながら、B面の印象は、今や全く無い。その他に思い出すのは、あの独特なジャケットのタンク型の怪獣=タルカスと云う事くらいか・・・

 そこで、私的なELPについてを書く事にする。・・・展覧会の絵がIslandの廉価版で出回り始めた頃だから73'くらいの事だと思うが、とにかくELPは、思い出すとメジャーなバンドだった。当時は、Smapも真っ青なくらい見た目も良かった。(と思う)確かNHKでも放映していたし、初来日も後楽園でFreeとやったのがこの頃だったと思う。当時、私は高校生、見た事も無い機械がまるで、山のように並び、Drumセットも豪華絢爛、写真でしか知らなかったこういうものを実際にみるとそれだけで圧倒されてしまった。それまでにクラシックっぽい演奏を取り入れたバンドは、多々あれど、それだけじゃなくて技量もありで、LiveパフォーマンスもワイルドなK.Emersonのナイフ刺し、Hammond倒し・・・メンバーがLooks良しの曲もよしっていうのは、ほとんど皆無に等しかったかもしれない”粗野な男の世界”的な70's RockSceneにそれまで関与できなかった良家の子女や、音楽大学・学校に通っていた少女達のアイドルが誕生したと云えるのでは、ないだろうか。

 しかしながら、この人気は、いつまで続いたのかを私は、知らない。Trilogyを聴いたところで、興味が無くなってしまったからだ・・何故なのかは、もう忘れてしまったが私の中でのELPは、展覧会の絵までで完了してしまっているのである。その中でも個人的に一番好きなのは、デビューアルバム。この自分達独自のサウンドを確立しようとしている試行錯誤段階のELPは、魅力的だ。Tarkusもその延長線上にあるAlbumだったのだろう。残念ながらそれは、今の私には、想像する事しかできないのだが。


No.2
名前斉藤 洋
電子メールhsaito@cb3.so-net.or.jp
URL
いつ聴いたか1974頃
その時の境遇高校生
今でも聞きますかほとんど聞かない。
レヴュー本文 ELPは「展覧会の絵」で本邦でメジャーになったようなものだ。 中学3年になけなしのこずかいでLPを買い、毎日むさぼり聴い ていた。おかげで今でも最初の拍手から最後のアンコールの拍手 まで口でいえてしまう。私のようにこのアルバムでキーボードに 目覚めた少年は多かったと思う。その約2年後に「タルカス」を 買った。メロトロンの荘厳なイントロからあのベースとオルガン 左手のユニゾンに乗っかってくりだされるテーマは圧巻であった 。当時プログレに組曲はつきものであり、A面最後まであますと ころなく堪能できた。私も夢大き年頃であり、「タルカスをコピ ーしたい」と思ったものだがつまみ食い程度で終わった。しかし 正直B面は今一つであった。ジェレミーベンダーは大学入学後一 度遊びで演奏したことがあったが他は印象が薄い。私にとってE LPはキースエマーソンに集約されるがトリロジーまではよいが それ以降はあまり関心がない。ELPを知って20年以上経過し た現在最も印象が残っているのは1枚目である。最近はさかのぼ ってナイスのCDを買った。

No.3
名前真由美
電子メールmayumi@ki.nu
URLhttp://www.ki.nu/~mayumi/
いつ聴いたか1971年
その時の境遇高校生だった
今でも聞きますか一月に二三回は聴いている
レヴュー本文 夢。憧れ。希望。新天地。そんなものが詰まっているアルバム。 繰り返しの多い旋律が、微妙に変化して、グレックの奏でる歌声と 、キースの神がかったキーボードにより、聞き手に、息をつく隙 をあたえないほどの激しさがある。今でもELPの傑作のひとつだと 信じている。 進学校の高校生になったわたしは、自分にはとてもかなわない人が たくさんいるという、驚き、挫折、失望を味わい、閉ざされた生活 をしていた。 表面は明るくふるまっても、あの人と友だちになりたい、あの人に 認められたいと ひそかに心を痛めていた。そんな鬱々とした日々に、聴くグレック レイクの澄んだ歌声はどんなにか、こころを慰めてくれたことか 。 何回も何回も、レコードがすり減るほど聴いた記憶がある。 自分のいえなかった気持ちをグレックとキースが替わりに叫んでく れたのだ。 (もちろん、カールもいたが、彼のことはあまり考えなかった)。 それから、二十年以上もロックを聴くことを忘れていた。改めてCD を購入し、このアルバムを聴いたとき、封印していた記憶がよみ がえり、思わず涙してしまった。 高校生だった、自分がどんな風に未来を見つめていたかをあざやかに思い出した。だから、元気でないときは、聴かないよう に用心している。 グレックがELPを去ることを表明した今、とても残念だと思うが、 ELPは80年代に終わったのだと、思い直すことしている。

No.4
名前保坂J
電子メールs52m24@dg.mbn.or.jp
URL
いつ聴いたか1997年
その時の境遇大学2年の秋。レンタルしたCDをMDに落とした。感動し初期4作一気に落とした。我慢できずすぐCDで買いなおした。
今でも聞きますかよく聞きます。
レヴュー本文

この頃の僕はバリバリのHR小僧で、プログレと言えば僕達の間ではドリームシアターでした(笑)。 つまり、バカテク、変拍子のお披露目的音楽だと。 が、このアルバムがそんな僕の青い固定概念を打ち砕きました。 と同時に僕を「偉大なる70年代ロック」に、導いてくれた大切なアルバムの一つであります。

初めて聞いた「ERUPTION」の衝撃は忘れられません。 ほんと、狂喜乱舞しました、一人で(笑)。 「うおーーーーー、これだーーー」って感じで。 そこから、アンニュイな「STONES OF…」の流れ。 この緩急の繰り返しで流れていく曲はまさに大河!また、何度も出てくるフレーズは、僕の脳ミソの深いところを刺激して…。 その日のうちに、何度この曲を聞いたことか解りません。 しかもその後には打って変わって軽快な「ジェレミー・ベンダー」。 舞い戻ったかのような、激しい「ビッチズ…」から、僕にとっては印象の薄い曲が続いて、ふざけた「ARE YOU READY EDDY?」!これは笑った。 無人君かと思った(笑)。

さて、感想はここまでにして、僕は一応ヴォーカリストの端くれなので、インストの方は他の方に任せて、ヴォーカル的見地からレヴューさせていただこうと思います。 はっきりいってグレッグ・レイクは歌下手です!キーは外すしハイが弱いし。 しかーし、この人にとってそんなことはどうでもいいのです!なんと言っても声がいい!!激しくシャウトしてもどこか煮え切らないダークなイメージはエフェクトのせいだけではもちろん無い。 まさに、イギリスの、って感じのヴォーカリスト。 静と動の入れ替わりの激しいこの手の音楽を「歌」で表現するには彼のような二面性を持ったヴォーカリストが必要だったし、偉大なるロバート・フリップはそれが良くわかっていたから彼を誘ったのだろう、とか考えてみたりする。 これを聞いて思ったが、古いロック・ファン成らずとも、「最近のプログレはプログレじゃない」というのは、それらのヴォーカルが歌唱力にまかせて歌うのみで、二面性がない、と言う理由によるものが少なからずあると思う。 これは、現在のロック全体に言えることかもしれませんね…。


No.5
名前HYODO
電子メールhyo@mx.biwa.ne.jp
URLhttp://www.biwa.ne.jp/~hyo/
いつ聴いたか1978年頃
その時の境遇中学生
今でも聞きますか良く聞きます
レヴュー本文

とにかく一曲目の組曲「タルカス」からノリノリになるアルバムである。 特にしょっぱなの「Eruption」と「Aquatarkus」が良い。 キーボード、ベース、ドラムがアップテンポでうまく融合しており、ELPの良さがふんだんに出ている。 気が抜けないまま一気に最後の「Are You Ready Eddy?」まで行くが、この最後の曲でずっこける。 私はこのロックンロール調の曲を聞くと、何故か「ラブビーチ」のアルバムジャケットを連想してしまう。 「これさえ無ければ・・」といつも思ってしまう。

個人的なアルバム総評としては「恐怖の頭脳改革」には一歩及ばないが、それでもELPの代表作として人におすすめ出来る内容だ。 タルカスというアルバム名も、ジャケットの怪物の絵も個人的には気に入っている。 このアルバムが万人に認められた証として、1971年のメロディーメイカー誌のアルバム・オブ・ジ・イヤーに輝いている。 今聞いても新鮮さが残っているのは大したアルバムだと思います。


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