American Rock

『シルク・ディグリーズ』ボズ・スキャッグス

クロスレヴューvol.1



No.1
名前 YUKIO
電子メール yukiosaito@virgo.bekkoame.ne.jp
URL http://www.bekkoame.ne.jp/~yukiosaito/
いつ聴いたか 1976年
その時の境遇 高校2年かな?
今でも聞きますか ときどきかな?それほど聞かないかもね。
レヴュー本文 この頃はAORというよりまだソフト&メロウと呼んでましたっけね。今改めて聞き返してみると、このあと80年前後にわんさか出てくる都会的なAOR(このあたりがAORメインストリームだと思っておりますが...)とはやはり少し趣きが違ってますね。何といったらニュアンスが伝わるでしょうか。曲調もレンジが広くロック色の強いものからメロウなソウル的なナンバーにいたるまで多彩であり、都会的というよりも大人っぽさを強調したアルバムだと思います。個々の楽曲のクオリティはかなり高く、どの曲の代表曲となりうるものだと思いますし、ボズ入門には最適かもしれません(AOR入門に最適とは思わない)。個人的にはこの後の『ダウン・トゥ−・ゼン・レフト』のほうが思い入れがあるのですがね...あくまでも個人的に...笑。

このアルバムが出た1976年頃は、60年代後半からのロックが一区切りついた時期(『ホテル・カリフォルニア』も同年発表)でもあり、その後のロックミュージックのひとつの方向性を示唆した作品として意義ある名盤だと思います。ごく大雑把な言い方をさせてもらえるならロックファンにとって、この時期に過激なニューウェーヴやパンクに走るか、こちらのソフト&メロウに走るか二者択一を迫られたような気がしていまして、私はこっちを選んだのですけどね。こっちきちゃった人はフュージョンからジャズまで聞き始めた人も多かったと思いますがね〜。

スティーヴ・ルカサー以外のTOTOのメンバーにフレッド・タケットらが加わったバンドをバックにしており、アレンジはデヴィッド・ペイチが担当しています。ホーンセクション、女性コーラスなどのゴージャスで洒落たサウンドが田舎者の高校生の耳には新鮮だったものです。曲によって多くのゲストも交え、なかでもボズのお気に入りのギタリスト、レス・デューディック(オールマンズの「ランブリン・マン」での名演が光る)のスライドをフィーチュアした「ジャンプ・ストリート」は名演といえます(レス・デューディックはボズのプロデュースで同年デヴュー)。この他アラン・トゥーサンのカヴァー「あの娘に何をさせたいんだ」、もはやスタンダード化してしまった「二人だけ」、美しいスローナンバーの「港の灯」、ヒットナンバーの「ロウダウン」など魅力的な曲が揃っております。定番ではありますが、持っていて損はない一枚でしょう。

(Jun.30,1999)



No.2
名前
電子メール xenon-cd@02.246.ne.jp
URL http://www.02.246.ne.jp/~xenon-cd/
いつ聴いたか 1978年
その時の境遇 まじめな浪人生
今でも聞きますか 聴きません
レヴュー本文 このアルバムは当時めちゃくちゃ流行りましたねー。実はこれ浪人生やってた頃の彼女に聴かせてもらいましてね。当時の自分は丁度、守備範囲を広げている最中で、ハードロックやプログレだけでなく、広義な意味でのアメリカン・ロックに興味が移っている過程でした。特に67年のサンフランシスコに惹かれて、デッドやジェファスン、クイックシルバー、モビー・グレイプなどを聴きだした頃なので元スティーブ.ミラー・バンドだというこの人のこのアルバムも興味深く聴きました。

自分が音楽に興味を持ってすでに27年、この間に聞いた作品はどれだけあるか正確には判らないけれど「聴いていて気持ちの良い」作品というのはそう多くなかったと思います。この系列の音楽そのものに深く関わりを持たなかったので一般的にどう評価されているか知らないけれど、特にシングル・カットされた(?)「ロウ・ダウン」の心地良さは格別でした。

内容と同じくジャケット・デザインがこれまた素敵で「右端に覗いている手はどういう関係の人?」と、想像力を膨らましていましたね。浪人中の身分で余り派手に遊ぶこともできず、またやがて別々の学校に入学することになった当時の彼女とは結局すぐに別れましたが、白状すると、このアルバムを聴きながら彼女と「えっちしたい!」と思っておりました、ハイ。小柄で可愛いコだったんだよなー、って、聞いてない?失礼。

後年、会社の同僚がCD化されたこのアルバムを持っていたので借りたけれど、やはりこの作品の良さは不変でした。但し、初めて聴いたときの年齢や環境と、社会人になってからとでは余りにギャップがあって、 残念ながらこのアルバムを聴きながら「えっちしたい」という思いは湧いてきませんでしたが...

(Jul.99)



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