American Rock

『デジャ・ヴ』CSN&Y

クロスレヴューvol.2



No.6
名前 プーニール
電子メール jimbo@pop17.odn.ne.jp
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いつ聴いたか 1970年6月3日購入
その時の境遇 大学に入った頃で、初めてステレオを買いました。
今でも聞きますか 年に1〜2回くらいです。
レヴュー本文  私のロック歴の中でこのアルバムはたいへん重要な意味がありますが、ここ数年で実際に聴くことはめったにありません。聴こうかなと思うことは度々あるのですが、準備しているうちに何か気が重くなって結局やめてしまうことが多いのです。それはおそらく中味の多様性から、全部の曲を受け入れられる良好な精神状態の時というのは、そう滅多にないからだと思います。

 4人の音楽性の違いからアルバムに統一感がない、と言われることもあるようですが、CSN&Yとしてアルバムを作ることは十分意味があると思います。
ただし、あくまで各曲に4人が関わっていることが前提です。BOX SETのブックレットで収録曲のうち8曲はパーソネルが確認できましたが、スティルス独演の「4+20」と、「Carry On」「Teach Your Children」「Deja Vu」「Our House」の5曲(つまり半分)にヤングは加わっていません。

 4人揃って演奏している曲がこれだけ少ないと、ソロの寄せ集めという見方もされますが、にもかかわらず今日までロック史上重要なアルバムとして評価されてきたのは、個々に優れた曲が多く含まれていることと、これ以降に出るソロ作品などに人々の関心を抱かせた源だったからだと思います。

 複数のソング・ライターを擁しているバンドのアルバムを聴くときにいつも思うことは、なぜ各メンバーの曲を散らせて配置するのが常識になっているのだろうか、という点です。その方がバンド全体としてのサウンドをうまく表現できる、という考えがあたりまえのようですが果たしてそうでしょうか?
私はバンドでもソロでも、1枚のアルバムの中は極力同じ雰囲気を持続するように構成して欲しいと思ってます。その世界にドップリ浸かりたいのです。
クロスビー&ナッシュのアルバムでもふたりの作品がほぼ交互に組まれていますが、本当は完全にA面とB面に分けた方が良いのではないかと思ってます。
分けてもそれぞれの作品で互いにサポートしていればソロでやるのとは違った色合いを出すことができるわけですから。4人もシンガー・ソング・ライターがいて、1曲ごとに曲調ががらっと変わったり、声も変わったりではどうも落ち着きません。

 その観点から、『デジャ・ヴ』を独断と偏見で再編集してみました。
まず、焦点のはっきりしない「Everybody I Love You」と、バンドでは演るべきでないと思う「4+20」を収録からはずします。そしてシングル・バージョンの「Ohio」と「Find The Cost Of Freedom」を加えます。実際のリリース時期はアルバムより後ですが、今なら「同時期」と見なして同じアルバムに入れる方がファンには喜ばれると思います。そして曲の配置は、メンバーごとにイニシアティブをとっている曲をくっつけて連続させます。具体的には、

1. Ohio
2. Helpless
3. Country Girl
4. Our House
5. Teach Your Children
6. Deja Vu
7. Almost Cut My Hair
8. Find The Cost Of Freedom
9. Carry On
10. Woodstock

と、しました。どうでしょう。
個々の曲の良さなどについては、これまで多くの方が書かれていることとほぼ同意見ですので省略しますが、ヤングの作品では「Helpless」ばかりが圧倒的に好まれていて「Country Girl」はあまり人気がないようです。大袈裟なアレンジが敬遠されるんでしょうか。私はこの曲が気に入 っていて、とくにヤングとスティルスがデュエットする部分は哀感があってとても好きです。

 尚、メンバー全員を均等に好きというわけではないので、私の関心度を明かしますと、10点満点で、クロスビーが10点、スティルスが9点、ヤングが7点、ナッシュが4点、といったところです。(Apr.99)



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