American Rock

『デジャ・ヴ』CSN&Y

クロスレヴューvol.1



No.1
名前 アブラヤ
電子メール aburaya@cool.email.ne.jp
URL http://www.asahi-net.or.jp/~dv5y-ucd/
いつ聴いたか 1975年
その時の境遇 高校2年かな?
今でも聞きますか はい、時々聞きます。
レヴュー本文 たしか当時の私はレッド・ツェッペリンにかぶれまくっていたと記憶しています。
グレコのレスポール・モデルを股間までズリ下げて、ミストーンをビシバシの大音量で 「ブラックドッグ」「移民の歌」「ハートブレーカー」等を夢中になってコピーしまくっていたのですが、或る日のこと、近所に住むY君が家に遊びに来た際に「このアルバムは 凄く良いよ。」と言って、私に貸してくれたのでありました。

たしか当時購読していた音楽誌に彼等(CSN&Y)が再結成してライブを行って大盛況だとの記事を読んでいたので、その存在だけはかろうじて知っていたのですが、写真で見る限り、汗くさいオッサン連中が椅子に座って生ギターを弾いている図には、正直言って余り興味を持てなかったように覚えています。
それにアルバムジャケットにしても「なんか取っつきにくそうだし…どうしたものかな〜。」(笑)と、2.3日は部屋の片隅に忘れられていたのでした。
そして丁度ギターの練習に疲れた時に、思いだしたようにプレイヤーに乗せて恐る恐る針を落とした訳なのですが、余りの素晴らしさに目から鱗が落ちる思いがした事を、つい昨日の事のように思い起こされます。

1曲目の「キャリーオン」でのスティルスの持ち味が全開されたようなメロディ、そして言葉では言い尽くせないほどに素晴らしいハーモニィに吃驚しました。
アルバムジャケットからの印象だけで、「きっと泥臭いカントリーかフォークでも歌ってるのだろう?」との予想を見事に裏切ってくれた記念碑的な?ナンバーなのですが、アレンジも心憎い程に格好良くて、後半でパーカッションが絡んでくるところなどはハッキリ言って鳥肌モノだと思います。(o^^o)

この『デジャ・ヴ』には収録曲が10曲あるのですが、デビッド・クロスビィ、スティーブン・スティルス、グラハム・ナッシュ、そしてニール・ヤングという各々がキャリアを充分に積んできたミュージシャンが一堂に会して、それぞれの持ち味を十二分に発揮したアルバムだと思いますが、4人でのスタジオ作品はこれしかありません。 因みに、特に好きな曲を上げるとするのでしたならば、デビッド・クロスビーの「Almost cut my hair」と、続くニール・ヤング「Helpless」が好きです。

私は、この『デジャ・ヴ』を通して、エレクトリックサウンドでブイブイ云わせるだけがロックではないんだという事を学ばせて貰ったように思います。
そしてEvergreen Musicという言葉は、このアルバムの為にあるような気がします。 (Dec.26.1998)



No.2
名前 野田 泰久
電子メール nodaya@asakonet.co.jp
URL  
いつ聴いたか 1971(あるいは70年末)
その時の境遇 高校生から大学生へと移行する時期で、エスカレーターだったので暇なものでLPを買いあさる日々でした。しかも関西の某民間FM局の開局を手伝ったりしていたので、洋楽(古イナ〜)にはハマっておりました。
今でも聞きますか 震災で激減しましたが、まだ70年代のものを中心に数百枚残っていて『Deja Vu』は幸い無傷で今でも聴いています。
レヴュー本文 昨年ジム・ジャームッシュの<イヤーオブ ザ ホース>をみて、ニール・ヤング様の御姿をなつかしく思っていた私です。

またハゲ・ブタ・ジャンキーから奇跡の生還をされたデビッド・クロスビー様は、ロジャー・マッギン様のHP上でのバーズのメモリアルライブか何かの映像を・・・ステファン様は息子にデビューされてただのデブオヤジとなられ、はたまた先ごろNHK教育の<アビーロードスタジオ>のドキュメンタリーの中で御若いころのG.ナッシュ氏をみつけるなど、この4人の私との付き合いは思い起こせばはや30年にもなろうかとしています。

これは私のカンですが、今年・・・というか、これからしばらくはFolkyなもんが 来るんやないでしょうか。Kate&Anna Mcgarrigleの新盤やデビュー盤が再発されるなど、イイーデスネェ私は1stLPもってまっせ。(自慢すな!スンマセン)

何せ私はGLAYとかラルク・・・なんてのはどうもあきません。
アイルランドに端を発するトラッドフォークの流れとその終着点であるウェストコーストサウンドとの究極の昇華された形態である(と勝手におもてる)彼らのサウンド・・・また来まっせー!!(Jan.1999)



No.3
名前 Kensaku
電子メール s-khg@rc4.so-net.ne.jp
URL  
いつ聴いたか 1971から1972年ごろかな
その時の境遇 中学生から高校生ぐらいだったかな。
マーチンのコピーモデルのフォーク・ギターを購入した。
今でも聞きますか ほんのたまに聴きますよ
レヴュー本文 私このころ、日本のフォークが好きでして、その中で聴いていたのがGAROのファースト・アルバムでした。そのアルバムはホントによく聴いていてギターをコピーしたものでした。こちらのレヴューのほうが良いんじゃないかってぐらいです。

で、そのときオープン・チューニングや、レギュラー・チューニングだけど変則コードを押さえることなどを知ったのです。基本的には、アコースティックギターとエレクトリック・ベース&ドラムスというアレンジのアルバムなんだけど、ソロのときの変な響きとか音の余韻とかが不思議だったのですよ、当時。 あと、コーラスのスゴサもびっくりしたんです。それら、GAROのやってたことの元がここで登場のC,S,N&Yだったんですねえ。 だけど、白状するとこの『デジャ・ヴ』よりよく聴いたのはこれの前の『クロスビー・スティルス&ナッシュ』なんですけどね。そのアルバムについては次の機会を待つとして、『デジャ・ヴ』についてはほとんど書いてませんので少し書かせてください。

ジェリー・ガルシアがペダル・スティールで参加の「ティーチ・ユア・チルドレン」が和みますが、タイトル・トラックのテンション溢れるムードなんかも好きです。ただ、このアルバム、ニール・ヤングがどうも異質な感じがしてしょうがないんです。ずーと後に出た、この4人としての2枚目『アメリカン・ドリーム』でも感じたんですが。ただ、ライブだったらやっぱりニール・ヤング入りの方が絶対いいでしょうけども。しかしながら、この4人ならではの緊張感もあり、『デジャ・ヴ』はオープニングの「キャリー・オン」なんて好きですね。アコースティック・ギターの可能性を究極まで追求してたんですかね。そのあと、『4ウェイ・ストリート』ってライブ盤で、エレクトリック・ギターでもすごいことをやってます。

ところで、『ノー・ニュークス』のコンサートでこのアルバムから「ティーチ・ユア・チルドレン」をニール抜きでやっていますがこれが鳥肌でした。ニール・ヤングが嫌いというわけでは、けっしてないんですが。彼ら独特のコーラスは素晴らしいです。誰にも真似できない味です。(Jan.1999)



No.4
名前 zampano
電子メール issee@pop02.odn.ne.jp
URL  
いつ聴いたか 1995年ぐらい
その時の境遇 高校生
今でも聞きますか よく
レヴュー本文ニール・ヤングに心酔して、改めて聴き直したこのアルバム。はっきり言って難しい部類のロックでした。長らく聴かないCDでしたが、魅力が今、やっと分かったようです。

基本的に異色のロックです。ひとつのジャンルばかり聴き漁ったころに、これが心にしみるんですなー。しかし高いレベルの緊張感と集中力。アメリカを代表して全世界に向かって歌ってますな。それもこれも、ニール・ヤングの加入ゆえだと思うんです。CS&Nのころにほとんど完成していたんじゃないんですか、音楽的には。そこに暴走特急が入ってきて何が変わったというと、ロック色がいままでに無い色になったんじゃないかと・・・。

アメリカンロックの雄THE BANDと比べてみてこっちのほうが乾いてますよね。アメリカ的なものに固執してないんじゃないかなー。
「アメリカのロックなんじゃなくて俺達(CSN&Y)のロックなんだ」という話は聞いていませんが、曲がそう言ってます。(Jan.1999)



No.5
名前 ごうき
電子メール g1201@aol.com
URL http://members.aol.com/g1201/
いつ聴いたか アルバム全部だと1975年くらいだと思います。
その時の境遇 高校生でした。
今でも聞きますか 何曲かはたまあに聴きます。
レヴュー本文 私が洋楽(死語?)に目覚めた頃の情報源といえば、ラジオのポップス番組と某ジック・ライフ誌でした。そこでは、毎年3月号が最終発表となる人気投票が行なわれていて、ビートルズとその他ちょっとしか知らなかった私は、レッド・ツェッペリンとクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの異常な人気を目の当たりにして、この2つのグループの音が聴いてみたい!と切に思っておりました。

 そして間もなく、はからずも両者を続けて聴くことができました。
歯医者の息子がLPを持っていたのです。持つべきものは金持ちの友だち・・・。で、『レッド・ツェッペリンII』を借りて、打ちのめされました。ただし逆の意味で。もっともその後は夢中になっていくのですが、ここはZEPのコーナーではないので、やめときます(私のHPに書いてあります、と大胆に宣伝)。
で、ZEPを返して借りたのが、CSN&Yの『4ウェイ・ストリート』。某ジック・ライフ誌で年間ベスト・アルバムに選ばれた大傑作・・・だろうと思うけど、ZEPにがっかりした少年(当時)ごうきは、恐る恐るLPをターンテーブルへ。

 今度はまさに打ちのめされました。 親しみやすい曲の並ぶアコースティックな1枚目も、白熱のギターバトルが炸裂するエレクトリックな2枚目もぐいぐい引き込まれるパワーがありました。「年間ベスト・アルバム」の偉大さを知った少年の初体験でありました。が、ここでセレクトされているのは、CSN&Y唯一のスタジオアルバム(88年に再結成されて『アメリカン・ドリーム』なんて出ましたけど、あえて数えない)の『デジャ・ヴ』なんですね。こちらはロックの名盤という話題になると、絶対にはずされませんね。だから、こちらでも取り上げたんでしょうが。はい、私も大好きです。人によっては、4人の曲の寄せ集めで、統一感がないとか言うみたいですが、グループ名が示すように、「個」を尊重する(だと思う)グループだから、私は良い曲が聴けるのなら、なあんにも文句はない・・・でもね、やっぱり最初に聴いた『4ウェイ・ストリート』が好きなんですよ。

「キャリー・オン」も「ティーチ・ユア・チルドレン」も、ライヴ・ヴァージョンを聴いてしまったら、どうも『デジャ・ヴ』ヴァージョンは、肩透かしを食った気分なんです。初めに『デジャ・ヴ』を聴いたら、また違う印象を持ったかもしれません。 でも、収録曲すべてが名曲です。クロスビーの「カット・マイ・ヘアー」(切るほど髪があるのか?と笑い話になりましたね)や、ジョニ・ミッチェル作の「ウッドストック」・・・どれもこれも素晴らしいです。

 そして、何と言ってもヤングの「ヘルプレス」!『デジャ・ヴ』と言えば?、と聞かれたら、「ヘルプレス」の入ってるアルバム!と言い切ってしまうくらい好きですし、ロック史に残る名曲のひとつだと思います。
ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』や、あの『ライヴ・エイド』でも歌われたように、ニール自身にとっても重要な曲なんでしょうね。 映画『いちご白書』で使われた、夜明けの大学(ストライキ中の)のシーンも印象的でした。そういうわけで、「ヘルプレス」があるものの私にとって『デジャ・ヴ』は、大好きなアルバムではあるんだけれど、「最高のアルバム」ではないんです。『デジャ・ヴ』は、ちょっぴり気になる近所の奥さんのようなもの。 そして『4ウェイ・ストリート』が愛する奥さんなんですね。(逆だったら大変だね)(Apr.1999)



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