American Rock

『フィルモア・イースト・ライブ』オールマン・ブラザーズ・バンド

クロスレヴューvol.1



No.1

名前 hideto3.0
電子メール duanne@m9.people.or.jp
URL http://www.people.or.jp/~muses/
いつ聴いたか 1972年
その時の境遇 高校生
今でも聞きますか 聴きます
レヴュー本文  もともとサンフランシスコ・サウンドを聴いていてブルースは好きではなかったんです。ブルースってどれも同じに聞こえたし。でも、このオールマンにはすんなり入れました。なんといってもデュアン(本当はドゥエインなんですがいまさら変えられないし)のスライド・ギターはブルースがどうのというのを超越していましたね。今まで聴いたことがないフレーズの連続で、最初は訳分かりませんでした。

 それまでエレキのスライド・ギターといえばエルモア・ジェームズ・スタイルの「じゃじゃじゃ・じゃじゃじゃ・じゃじゃじゃ・じゃじゃじゃ・じゃっじゃーーん」っていうのしか知らなかったし。とにかく「ステイツボロ・ブルース」のスライドはメロディアスで、こんなことも出来るのかと衝撃を受けました。さらにこれがライヴであるなんて!これまでライヴ・アルバムといえば熱いけど荒っぽいという印象がありました。しかしデュアンの演奏は何度もリハーサルをして練り上げて録音したかのような完成度を持っていました。ま、いつもここまで完璧ではないというのは、その他の海賊盤などの演奏を聴けば判りはしますが、それにしても人間離れしています。

 デュアンの影に隠れがちですが、ディッキー・ベッツの演奏も侮れません。
感情のおもむくまま突っ走るデュアンとは対照的にリズムをかみしめるようゆったりとした中にも鋭く研ぎ澄まされたフレーズをくりだしています。
このふたりのギタリストが自由自在にギターを弾きまくれるのも、その場で臨機応変に対応できる優れたリズム・セクションがあってのこと。

 デュアンのひらめきにベリー・オークレイが鋭く反応し、またデュアンが呼応する。そして、ふたりのドラマーもリズムの変化を見逃さない。即興演奏の醍醐味がつまっていました。永遠に色褪せることのない名盤です。(Mar.99)



No.2

名前 Kensaku
電子メール s-khg@pop06.odn.ne.jp
URL  
いつ聴いたか 1975年ごろ
その時の境遇 高校生だったかな 。そのときは、今のように聴き続けるとは思いもよらず。
今でも聞きますか 聴きます
レヴュー本文これ、1曲目でKOされます。とはいえ、初めはあんまり好きになれなかったんです。ジャケット写真からして汚い感じだったし。当時は、AORよく聴いてたし。
ただ、アメリカ音楽ということで何でも聴いてたんで。本当に聴いてると言う気になったのは、大学入ってからです。バンドでも取り上げていたし、彼らの曲。その後も社会人になって、だんだんのめり込んだというところ。LPいっぱい買える身分になってたし。

ただ、先ほど書いたように1曲目です。これの衝撃度は大きかった。
今の彼らも好きなんですが、この時期デュアン・オールマンのいた頃のベストパフォーマンスでしょう。この「Statesboro Blues」は後に4CDでBOXが出たとき、スタジオ・ヴァージョンが『Idlewild South』のアウトテイクとして収録されました。それ自体はうれしかったんですが、でも、先にこのライブ・ヴァージョンを聴いてた身としては頼りない感じがしたものでした。壮絶な、という表現がぴったりです。ほかにも、「In Memory Of Elizabeth Reed」なんかジャズっぽく思えるインストも有り、アルバム2枚分一気に聴けます。

でも、今の彼らも素晴らしいですから、最近のライブも出てるので聴いてほしいですね、多くの人に。(Mar.99)



No.3

名前 zampano
電子メール issee@pop02.odn.ne.jp
URL  
いつ聴いたか 1999年
その時の境遇 大学生
今でも聞きますか 大切に聴きます
レヴュー本文 こういうアルバムが聴きたかった。

値段が高かったので後回しになっていましたが、廉価版が2千円で発売しているので、これを機会に聴いてみては。これほどまでに私を感動させたのは、なぜだろう。初めてこのアルバムを聴いたとき、これ以上のロックにはもうほとんど出会えないだろうと思い、涙がでるほど悲しかった。私のロック探求の旅も終わりが近いのかもしれない。

クラプトンが心酔していたデュエン・オールマンは私の中で一気に最高のギタリストとなった。バンドメンバーのサポートも絶妙だが、きらめきはデュエンのギターにある。とても厳しい、辛いところでギターを弾いているのだろうか?

こうしたい、というより、こうせざるをえない。感情の赴くままではなく。
心に響く音楽を最高のものとすれば、まさしくこのアルバムのことだ。

私が愛しているのは「エリザベス・リードの追憶」。
ジャズ要素がどうのこうの言われているが、曲の本質と関係ない。
インストだが最も多弁で、そういう意味ではブルースだ。(Mar.99)



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