American Rock

『ロックス』エアロスミス

クロスレヴューvol.1


No.1
名前 テリー横田
電子メール terry@futaba.jp
URL http://www.futaba/~terry/
いつ聴いたか 1977年
その時の境遇 坊主頭の中学生
今でも聞きますか う〜ん…。
レヴュー本文

 凶悪なアルバムだと思う。

 クイーン、キッス、エアロスミスが日本では「三大人気洋楽ロックバンド」と言われていた70年代後期、洋楽ロックの洗礼を受けるごくごく初期の段階で、自分はこのアルバムを聴いてしまったわけですが、 発売当初から20数年、今聴いても自分の印象はやっぱり変わりません。
 HM/HRのジャンルもその後大きく発展を遂げて、凶暴さを売りにするバンドもたくさん出、折に触れて聴いてはきました。今となってはこのアルバムの凶悪さなんぞは可愛い物になったのかもしれないけれど、それでもなお、このゴツゴツした耳障りな感じは、自分にとっては格別なものがあります。

 「エアロスミス、彼らはブリティッシュ・ロックの影響を強く受けているからね。僕らのやってる音楽とは共通点はないに等しいよ」……当時の音楽誌で、誰か西海岸系のミュージシャン……ジャクソンブラウンあたりだと思いますが定かでない……が、発言していた一節を、何故か頭の隅に覚えていて「なるほどな〜」と思った記憶があります。
 この発言通り、当時のエアロスミスは、特にこのアルバムは、あえて英国ハードロックっぽくしよう、ソリッドにしようと言う意図が、あったような気がします。メンバー間では無意識かも知れませんが「肩肘張った」感じがあると思うんです。

 その後、知っての通り、このバンドは空中分解してしまいます。ドラッグなども原因と言われていますが、私はこの「ロックス」での「肩肘張った」硬派ぶりから察して、音楽的にかなり無理してつっぱっていた部分があって、それがメンバー間に不和や緊張を招いていた、そのせいもあったのではないかと考えます。

 復活してからのエアロスミスは、商業主義になったという批判もありますが、私は柔軟な音楽性を身につけた、大人のバンドになったなと思います。それはそれでいいものだと思っています。
 それでもなお、この初期の「ロックス」での、肩肘張ったゴツゴツも、時に聴き疲れてしまうけれど、ヤッパリ聴いてしまう。若く青く尖っていたバンドの勢いに、自分の思春期がありありと蘇ってきます。(2002.10.23)


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